どの世界にもプロがいる
少し前になりますが、コスプレ衣装、小道具などの制作で有名な相澤造形工房様に取材に伺いました。
代表の黒田氏が制作する様々な造形物の中で特に目を惹かれたのは、とてもコンパクトにまとまったヘッドパーツたちでした。標準的な成人男性の頭部よりも一回りほど小さいのがすぐに見て取れ、更には驚くほど軽量。伸縮性のある素材、立体感やテクスチャを増すのに適した素材、様々な素材を組み合わせてそれらは構成されていました。
「コスチュームを着た際、人間が自分の身体の一部として感覚的に認識出来るのはせいぜい皮膚から数センチ程度。事故を防ぐためになるべくコンパクトにしないとならない。そして視界の確保は一番大切。どんなにデザインがよかろうが、安全に配慮をしていない衣装の制作は絶対にしないし、受けない」長年アクションスーツアクターとしても活躍をされている黒田氏だからこその言葉が強く印象に残りました。造形物、そして地元に対する愛を熱く語る氏の思いに触れ、どの世界にもプロフェッショナルがいるのだな、僕はそう感じたのでした。若き表現者たちを撮影した写真は「layer」としてギャラリーに纏めています。